勝敗に関わらず称え合う

こんにちは。三刀流プロサーファーの井上鷹です。

大会4日目、また続けてロング

昨日よりサイズが下がり、モモくらいになりました。

大会どうするのかな~と思いながら、練習へ。

途中で「ショートはなし。ロングは様子見」というアナウンスがありました。

それで、一旦上がってホテルに戻りました。

再コールの8時半。

ロング男女ともSF、FLをするというアナウンス。

女子SF

ここからヒート時間が5分延びて、30分ヒートとなりました。

波数が少ないせいもあるでしょうし、SFになったからかもしれません。

桜、ヒートに向かう

SFは日本人同士の対決。

桜は1本目からいいライディングをし、点数も6.5点となかなかいい点数で快調な滑り出し。

続く2本目は、非常にクリティカルなセクションでとてもスタイリッシュなハングテンをして、「これは行ける!」と思ったのですが、波が小さすぎてショルダーがいきなり切れたためにふらつきました。

コンプリートかインコンプリートか微妙な感じでしたが、残念ながらインコンプリートになってしまいました。

その後にも、ファーストでハングテンを引っ張ってからターン、最後にもう一度ハングテンを入れたという、誰もしていない良いライディングをしたのですが、何故か6.3点しか出ず、ここで敗退となりました。

桜にとってロングは海外では初めての試合、海外自体2回目、マンオンマンのヒートも初めてという中でこれだけいいライディングが出来たのでよかったと思います。

多くの方に「大会中一番スタイリッシュだった」と褒めて頂くこともできて、よかったです。

桜SFハングテン
桜SFハングファイブ

男子SF

なかなかいい波を見つけられない僕に対し、相手の選手は地元フィリピンの選手だけあってここの波を良く知っているようで、どんどん乗って点数を出しています。

それで、ずっと相手にリードされたままでヒートは進行しました。

波数が少ないので、波が来なければ終わりですし、そもそも満点の10点近くを出さないと逆転出来ない状況です。

いつもなら波運が無い僕ですが、この時は波が来ました。

プライオリティを持って待っていた甲斐がありました!

何点出たかはわかりませんでしたが、ニードポイントは確実に下がったので、続けて、ゲッティングアウトの最中に波を拾って乗りました。

この状況ではとりあえず乗っておく方がいいという判断です。

そしてそういう状況でも、波とライディングによっては高得点が出ます。

作戦成功!9.25点が出ました。

ファイブからのキックファイブ、そのままファイブを引っ張ったあとにテン、ターンを入れて再度ファイブという、会場も大いに沸いたライディングとなりました。

鷹SFキック
鷹SFヒール

この時点でのシングルスコアハイエストです。

そしてトータルも、最終的に大会ハイエストとなる点数となりました。

僕がほぼコンボの状態だったのですが、ヒートの終盤近くにわすか数分で状況は全く反転し、相手がコンボとなりました。

それでFLに進むことになりました。

この、アンダープライオリティで手前の波を拾って高得点を出すのが、僕の得意技です(笑)

男子FLと試合後の感動

FLは35分ヒートとなりました。

対戦相手は地元の期待の若手選手ロジェリオです。

サーフィンも上手ですが、波を良く知っているので、このポイントが初めての僕は不利です。

どれがいい波なのかこちらは全くわかりませんが、フィリピンの選手達は皆よくわかっていて、いい波に乗るのです。

ですから、いい波に乗れるかどうかが勝敗のポイントになるのは明らかでした。

ただでさえ波運の悪い僕、案の定相手はいい波に乗り、負けてしまいました。

鷹FLハングテン
鷹FLバレリーナ

地元期待の選手ですから、皆の盛り上がり方も異常なくらいに凄かったです。

しかしここからがもっと凄い。

僕に負けたフィリピンの選手達が僕を担ぎ上げたのです。

担ぎに来た
勝敗に関わらず称え合う

そして、優勝したロジェリオと一緒にインタビューブースまで運んでくれました。

優勝者にかけるはずのビールも、僕のために2本取っておいてくれました。

フィリピンの選手、観戦者、皆が優勝したロジェリオだけでなく僕のことを褒め称えて下さったのです。

そのあとは、次々にたくさんの人が来て、記念撮影を頼まれました。

「おめでとう、素晴らしかった、来てくれてありがとう」も、どのくらい言われたでしょう。

2019年のスペイン戦でも、負けて上がってきたのに皆が褒め称えてくれ、記念撮影やサインを求められてなかなかビーチマーシャルに帰れなかったということがありましたが、それと並んで大変印象深い試合となりました。

FL、握手

日本も真似をすべき

日本では、そんな風に気持ちよく試合を終えられたことは一度もありませんし、日本の試合で楽しいと思ったことはありません。

試合だけでなく、日本でサーフィンをするのは、環境としてはあまり楽しくはありません。

いがみ合いなど、雰囲気が悪いからです。

海外では、有名な混雑ポイントでピリピリしているというのでなければ、皆本当に楽しそうに仲良くサーフィンをしていて、何のゆかりもない僕が海に入っていっても、文句を言われたりしたことはありません。

基本的に相手のことを思いやる、リスペクトするからなのでしょう、雰囲気がとてもいいです。

日本のような「よそ者、ロングやSUPは入るな」とか、「乗り過ぎ」と文句を言うとか、回し乗りのような「嫌がらせ」とかはありません。

日本のサーフィンはいがみ合いが多すぎます。

そんなにいがみ合いして自分だけ乗る必要があるのでしょうか?

皆で平和に楽しくサーフィンする方がいいのでは?

そういえば、仕事なのでしょうが、ビーチを毎日掃除する人達がいました。

ですから、ビーチはゴミがほとんど落ちていません。

こういうところを日本の皆さんに知ってもらいたいと思い、僕は海外遠征時の様子を動画にして発信しています。

是非海外の良いところを知って、真似して頂けたらと思います。

まとめ

東南アジアは気候その他僕は苦手なので、今回フィリピンに来るに当たり随分心配しましたが、来てよかったとしみじみ思いました。

フィリピンの人達は、サーフィンも上手ですが、民度が非常に高く、日本は見習わなければならないと思いました。

日本ではあまり知られていない海外の良さを、伝えていければと思います。

鷹SFイェ~イ

では、また!

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